あぁ、このことについては書くまいと思っていたんだけど、やっぱり書こう、ライブドア/ニッポン放送問題。
もう散々メディアでも報道されているからいまさらではあるが、いくつか私見として気になるポイントを抜き出すと以下の通り。
私見だが、要点だけ。(気合いれて書き出すと日が暮れる)
1)日本版ポイズン・ピルってなんじゃそら?
米国では法制度化されていて、株主保護のために事前に定款の中に「買収されそうになったらポイズンピルを発動すんぞ」って書くようになっている。
だから、株主もそれを承知で買う。一方で、買収者もそれを承知で買う。
今回のように後追いでいきなり新株発行、ライブドアも既存の株主も一律で皆死ね、って、アンタそりゃ立派な株主保護原則に反する行為だよ。
平たく言えば、「経営者が株主を選ぶ・排除する」という有り得ない事を平気でやろうとしているわけで、フジテレビ側の最もらしい「経営上、企業価値の維持が目的」という言い分も「企業価値って株主価値だろ?」という問いかけには何の実効性ももたないのではなかろうか。
それを、「日本版ポイズン・ピル」と呼んで喜んでいる人たちがいる事自体、世界の笑いものだと思う。
まぁ、それにしても、ホリエモンもつくづく後だしジャンケンにやられる人ですなぁ・・・。
余談だが、このまえ某ニュース番組でビル・トッテンが「株式投資している人の95%はギャンブラーだ。ギャンブラーを保護する必要なんか無い」みたいなことをコメントしていましたが、これまた驚きの発言ですな。ボケたか?
2)メディアの中立性
フジテレビ側の言い分では、放送というのは公共性・中立性を保つメディアだから、通常の企業とはどうも違うらしい。だから、業務提携もできないらしい。
「最初に35%の株を買ったから提携しようというのは、あまりに荒っぽい。」とは日枝会長の発言だが、自分たちの脇の甘さを脇に置きながら浪花節に訴える姿は情けない以外の何者でもない。本当、外国メディアにやられなくて良かったね。(個人的には、別に外国メディアに買われてもいいと思うんだけどね)
話を元に戻すと、そもそも日本の民放に「公共性」とか「中立性」なんて言葉自体が虚ろだ。くだらないバラエティーばっか量産して、ニュースはどこのチャネルも同じソースで同じ見解。たまに気が利いた番組やってるなぁ、と思ったらBBCの番組だよ。公共性ってナニ?
これまた余談だけど、そもそもこのあたりの発言を日枝会長が中心になってしているってのもどうよ?ニッポン放送の経営陣はどこにいるんだ?
3)規制、海外、堀江氏
・諸外国からのプレッシャーもあり、勲功たてたさもあり、規制緩和してみました。そしたら、規制の隙間を縫うヤツが現れました。なのでもう一回規制することにしました。
・一番笑えたのは森前首相の「カネがあればなんでもできるって考え方は(以下略)」。おまいが言うな(色んな意味で)。
・海外の反応は薄い。そりゃそうだ、このくらいのM&Aは別に珍しくない。
昨日の外国人記者クラブでの記者発表には多くの海外報道メディア記者が来たらしいが、紹介の仕方は「ミステリアス・ジャパン」って感じでしたね。
・ちなみに私は別に堀江氏が好きでも嫌いでもない。昔から、そしてたぶんこれからも。
脈絡なくなっちゃったけど、だいぶコンパクトに思ってることをツラツラと書いてみました。(苦笑)
そうだよね。こんなに騒然となったのは、普通の会社にM&Aと言うこともあるでしょうが、大げさに言えばホリエモンと言う新参者が旧態依然たるメディア会社に殴り込みをかけた、それで保守体質の経営者からは一斉に反発された、と言うところではないでしょうか?
若手経営者はホリエモン支持が半数を超えていると言うことも納得できるし、町の声で年配者も案外フジの対抗策を批判している人も多いようです。
乗っ取られると思えば、抵抗するのは当然とは思うが、日本放送の社員一同と言う事で、ライブドアに対して株取得反対の声明を出すなんて、今時驚くような反応をする経営陣ですね。
日枝社長にしても、「うちには優秀な弁護士がいるから大丈夫。」等、メディア企業の経営者の感覚が曝されますね。銀行と同じように護送船団の業界のようなので。
投稿情報: グランパ | 2005-03-07 22:47
つたない雑文にコメントありがとうございます。
乱暴な書き方をしましたが、おっしゃるとおり戦後50年来聖域に守られてきた放送メディアに対して、ホリエモンが殴り込みをかけたことに旧態依然とした経営陣が過剰反応した、そんな感じだと思います。
ここにきて、鹿内家の反駁など、もう少し政治的な背景がありそうな気配が漂っていますが、イチ民間人からしてみればそこまでの裏舞台を見ずとも、表のドタバタ劇だけで充分ゲップが出る思いです。
一方で、メディア的な観点からみればホリエモンにもメディアに携わる者としてのメッセージがあるかというと、無いあたりが微妙なんですが・・・。
「さぁ、次はどこのマネをしようか」というのがライブドアの中でも普通に会話されるらしいので。(嘘か本当かは知りませんが。)
トップを取るまではNo1のマネをする、というスタンスらしいのですが、メディア会社を経営しようとするならばそのスタンスだとちょいと辛いのも事実ですよね。
さて、つい今しがたニュースでフジテレビのTOBが成立した、と報道されていますが、結果やいかに・・・。
投稿情報: Gato | 2005-03-07 23:52